親が亡くなって財産が遺された場合、相続問題が発生します。相続人が一人ならば遺産をどのように分けるのかという遺産分割の問題は発生しませんが、相続人が複数いらっしゃる場合には遺産分割手続は避けて通れません。
遺産分割がすんなり決まれば良いのですが、トラブルが発生し、解決までに途方もない時間がかかることが少なくありません。
遺産分割には、以下のとおりいろいろな形態があります。
1 遺言による分割
亡くなった方(被相続人)が遺言で遺産分割の方法を決めていてくれる場合です。
遺言があれば遺産分割は、スムーズに決まることが多いのです。ですから子供たちが遺産問題で争わないようにしたいとお考えれあれば、遺言を作成することをお勧めします。
2 協議による分割
話合いで遺産分割方法を決めるやり方です。話合いで決まれば弁護士の出番はありません。
しかしお金が絡むので、なかなか話合いで決めることができません。
3 調停による分割
相続人の一部が遠隔地に住んでいる等の理由で話合いができなかったり、話合いをしたものの合意できなかった場合には、家庭裁判所で調停を行わざるをえません。
調停は、話合いなので必ずしも弁護士を頼む必要はありません。しかし、相続財産の範囲や寄与 分(一部の相続人が相続財産の維持や増加に寄与している場合、その金額)について争いがある場合には、法律的な主張をする必要がありますので、弁護士を依頼された方がいいでしょう。
4 審判による分割
家庭裁判所の裁判官に「審判」という判断をしてもらって決めるやり方です。
調停が成立しない場合には、調停の申立時に審判の申し立てがあったものとみなされます。
これは「審判」という名前の裁判ですから、適切な主張立証をしないと負けてしまいます。
したがって弁護士を依頼して手続を進める必要があります。
われわれ弁護士が主として担当しているのは、遺産分割調停です。審判となると依頼者が全面的に敗訴するリスクを負わなければならないので、多少の譲歩をして調停で決めることが多いのです。
次回は、遺産分割調停について説明します。
2012年4月16日月曜日
2012年4月12日木曜日
不貞行為の慰謝料
不貞をした夫に対する慰謝料の相場についてご説明します。
最近の傾向として、妻側が裁判で請求する金額は500万円前後の金額が標準的です。それに対し、裁判官が判決で認めてくれる金額は200万円前後が多いというのが私の感覚です。
被害者の立場からすれば、「何でそんなに低い金額で我慢しなくちゃいけないの?」とお思いでしょうが、日本の裁判では慰謝料額はかなり低く抑えられているのです。
ただ慰謝料の金額は、以下の要素を総合的に判断して決められますので、夫側の有責性が極めて高い場合には高額な慰謝料が認められることもあります。
① 夫婦の収入
② 不貞関係の長短
③ 子供の有無
④ 不貞行為の態様
例えば、高収入の夫が女にマンションを買い与え、何年もの長きにわたって不貞行為を続け、子供まで作っていたというケースでは慰謝料が1000万円以上ということも十分考えられます。一方、ゆきずりの女性と1回だけ関係を持ったという場合には、100万円以下になることが多いでしょう。
最近の傾向として、妻側が裁判で請求する金額は500万円前後の金額が標準的です。それに対し、裁判官が判決で認めてくれる金額は200万円前後が多いというのが私の感覚です。
被害者の立場からすれば、「何でそんなに低い金額で我慢しなくちゃいけないの?」とお思いでしょうが、日本の裁判では慰謝料額はかなり低く抑えられているのです。
ただ慰謝料の金額は、以下の要素を総合的に判断して決められますので、夫側の有責性が極めて高い場合には高額な慰謝料が認められることもあります。
① 夫婦の収入
② 不貞関係の長短
③ 子供の有無
④ 不貞行為の態様
例えば、高収入の夫が女にマンションを買い与え、何年もの長きにわたって不貞行為を続け、子供まで作っていたというケースでは慰謝料が1000万円以上ということも十分考えられます。一方、ゆきずりの女性と1回だけ関係を持ったという場合には、100万円以下になることが多いでしょう。
2012年4月3日火曜日
不貞行為の立証
夫が(妻が)不倫をしているのでは?と悩んでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。長年連れ添った勘で不倫をしていると確信を持っていても、それが立証できなければ裁判には勝てません。しかし不倫の立証は、そんなに簡単なものではありません。肉体関係の存在を立証することが必要なのですが、それが案外難しいのです。具体的に、裁判で使われる不倫の証拠についてご説明します。
メール
不倫相手とやり取りしたメールの中には、いかにも親密な関係を疑わせるものがあります。しかし、メールに露骨に肉体関係のことを記載している例はほとんどありません。単に親しげなメールのやり取りをしているだけでは不倫の立証にはなりません。
写真
不倫相手と一緒に撮影した写真が携帯やカメラから発見されることがありますが、単なるスナップ写真では不倫と証拠としては不十分です。
GPS
以前、妻が夫の車にGPS機能の付いた携帯電話を忍ばせ、位置情報で夫がラブホテルに入ったのを確認し、ホテルから出てきた夫と不倫相手を取り押さえたというケースがありました。最近スマホのアプリを利用して配偶者の位置情報をゲットできるようになったと報道されましたよね。このようなGPS情報はかなり有力な証拠になります。
探偵事務所
探偵事務所に調査を依頼して、配偶者の行動を追跡するという方法も選択肢の一つとなりますが、問題なのは莫大な経費がかかるということです。探偵事務所の料金は、成功報酬ではなく、調査を行った時間料金ですので、数日間尾行をしてもらうだけで数十万円の手数料を支払ったというケースが一般的なので、よほど経済的に余裕のある方以外にはお勧めできません。
自白
経験上、不倫を疑われて配偶者や親族から厳しく追及されると半分以上の人は不倫を認めます。やはり良心には逆らえないのです。幸い認めた場合には、その旨一筆書かせて署名押印してもらいましょう。これが決定的な証拠となります。一旦認めても後で否定するというケースも少なくありません。その場合、書面がないと「言った、言わない」の水掛け論になってしまいますので、認めさせたならば必ず書面を書かせて下さい。
メール
不倫相手とやり取りしたメールの中には、いかにも親密な関係を疑わせるものがあります。しかし、メールに露骨に肉体関係のことを記載している例はほとんどありません。単に親しげなメールのやり取りをしているだけでは不倫の立証にはなりません。
写真
不倫相手と一緒に撮影した写真が携帯やカメラから発見されることがありますが、単なるスナップ写真では不倫と証拠としては不十分です。
GPS
以前、妻が夫の車にGPS機能の付いた携帯電話を忍ばせ、位置情報で夫がラブホテルに入ったのを確認し、ホテルから出てきた夫と不倫相手を取り押さえたというケースがありました。最近スマホのアプリを利用して配偶者の位置情報をゲットできるようになったと報道されましたよね。このようなGPS情報はかなり有力な証拠になります。
探偵事務所
探偵事務所に調査を依頼して、配偶者の行動を追跡するという方法も選択肢の一つとなりますが、問題なのは莫大な経費がかかるということです。探偵事務所の料金は、成功報酬ではなく、調査を行った時間料金ですので、数日間尾行をしてもらうだけで数十万円の手数料を支払ったというケースが一般的なので、よほど経済的に余裕のある方以外にはお勧めできません。
自白
経験上、不倫を疑われて配偶者や親族から厳しく追及されると半分以上の人は不倫を認めます。やはり良心には逆らえないのです。幸い認めた場合には、その旨一筆書かせて署名押印してもらいましょう。これが決定的な証拠となります。一旦認めても後で否定するというケースも少なくありません。その場合、書面がないと「言った、言わない」の水掛け論になってしまいますので、認めさせたならば必ず書面を書かせて下さい。
2012年3月29日木曜日
刑事事件の結果・略式命令
1件残っていた刑事事件が、罰金に決まりました。
まだ運が残っているようです。
罰金は、正式裁判によらず、略式裁判で行われることがほとんどです。略式裁判は、在宅略式と在庁略式の二つに大別できます。前者は、略式命令が自宅に送られてきますので、それを持って検察庁に行って罰金を納めるやり方です。後者は被疑者を裁判所に呼んで略式命令を直接渡す方法です。逮捕勾留されている被疑者の場合は在庁で行うことがほとんどで、通常はその日のうちに罰金を支払って釈放してもらいます。
なぜ在庁で行われるかというと、被疑者が所在不明となり略式命令を送達できなかったり、罰金が未納になることを防止するためです。
まだ運が残っているようです。
罰金は、正式裁判によらず、略式裁判で行われることがほとんどです。略式裁判は、在宅略式と在庁略式の二つに大別できます。前者は、略式命令が自宅に送られてきますので、それを持って検察庁に行って罰金を納めるやり方です。後者は被疑者を裁判所に呼んで略式命令を直接渡す方法です。逮捕勾留されている被疑者の場合は在庁で行うことがほとんどで、通常はその日のうちに罰金を支払って釈放してもらいます。
なぜ在庁で行われるかというと、被疑者が所在不明となり略式命令を送達できなかったり、罰金が未納になることを防止するためです。
2012年3月27日火曜日
刑事事件の流れ
万一あなたが刑事事件で警察に逮捕された時の手続の流れについて説明します。
①警察の持ち時間 48時間
警察は被疑者を逮捕した場合、48時間以内に釈放するか検察庁に事件及び身柄を送致しなければなりません。後者のことを「送検」と呼んでいます。ひょっとしたらニュースでお耳にしたことがあるかもしれませんね。
②検察官の持ち時間 24時間
検察官は事件の送致を受けてから24時間以内に釈放するか勾留請求をしなくてはなりません。
③最初の勾留 10日以内
検察官は、勾留の満期(10日満期)までに被疑者を起訴するか釈放するかについて方針を決 めなければなりません。しかし、事件が複雑などの理由から10日以内に事件を処理できない 時には勾留延長を請求できます。
④勾留延長 最大10日
以上のように一旦警察に逮捕されてしまうと、逮捕勾留で23日間身柄を拘束されかねません。しかも連日のように警察官や検察官の取調べを受けることが一般的なので、勾留されている被疑者の方の精神的ストレスは計り知れないのです。しかも公判請求(起訴)されてしまうと、多額の保釈金を積んで保釈してもらえないかぎり、身柄拘束が延々と続くことになります。
弁護人は、被疑者の方と面会をしたり、刑事手続の流れや被疑者の権利を説明するなどして、納得できない刑事処分を受けることがないように手助けをするのが仕事です。
弁護人の仕事として、起訴後の裁判手続ももちろん大切ですが、起訴されずに釈放してもらうことが一番大切だと思っています。裁判のため勾留が続くと被疑者本人はもちろん、家族の物心両面の負担が甚大だからです。
これはラッキー以外の何物でもないのですが、ここ2年ほど、私が起訴前弁護を担当させてもらった事件は全て不起訴や罰金で終わっていて、公判請求されたことはありません。最近担当させてもらった2件のうち、1件は10日満期前に釈放してもらいました。もう1件は間もなく延長満期を迎えますが、起訴されずの終わることを願っています。
①警察の持ち時間 48時間
警察は被疑者を逮捕した場合、48時間以内に釈放するか検察庁に事件及び身柄を送致しなければなりません。後者のことを「送検」と呼んでいます。ひょっとしたらニュースでお耳にしたことがあるかもしれませんね。
②検察官の持ち時間 24時間
検察官は事件の送致を受けてから24時間以内に釈放するか勾留請求をしなくてはなりません。
③最初の勾留 10日以内
検察官は、勾留の満期(10日満期)までに被疑者を起訴するか釈放するかについて方針を決 めなければなりません。しかし、事件が複雑などの理由から10日以内に事件を処理できない 時には勾留延長を請求できます。
④勾留延長 最大10日
以上のように一旦警察に逮捕されてしまうと、逮捕勾留で23日間身柄を拘束されかねません。しかも連日のように警察官や検察官の取調べを受けることが一般的なので、勾留されている被疑者の方の精神的ストレスは計り知れないのです。しかも公判請求(起訴)されてしまうと、多額の保釈金を積んで保釈してもらえないかぎり、身柄拘束が延々と続くことになります。
弁護人は、被疑者の方と面会をしたり、刑事手続の流れや被疑者の権利を説明するなどして、納得できない刑事処分を受けることがないように手助けをするのが仕事です。
弁護人の仕事として、起訴後の裁判手続ももちろん大切ですが、起訴されずに釈放してもらうことが一番大切だと思っています。裁判のため勾留が続くと被疑者本人はもちろん、家族の物心両面の負担が甚大だからです。
これはラッキー以外の何物でもないのですが、ここ2年ほど、私が起訴前弁護を担当させてもらった事件は全て不起訴や罰金で終わっていて、公判請求されたことはありません。最近担当させてもらった2件のうち、1件は10日満期前に釈放してもらいました。もう1件は間もなく延長満期を迎えますが、起訴されずの終わることを願っています。
2012年3月24日土曜日
親権問題
当事務所で皆さんから多くご依頼を受けさせていただいているのは離婚事件です。
離婚事件では多くの場合、離婚自体については合意していますが、親権を巡って争いになり、調停⇒裁判となるケースがかなり多いのです。
裁判になった場合、圧倒的に有利なのは子供と同居している母親です。私が担当した事件で子供と同居している母親が親権を失ったのは1件もありません。
子供と同居していても父親の場合には、親権を失うことがちょくちょくあります。やはり子供、とりわけ年少の子供の養育は母親の下で行われるのが望ましいという考え方が有力なのです。
子供と同居していない父親から親権を取りたいとのご相談をお受けする時には、率直に親権を取れる可能性はほとんどないとお話しています。しかしそれでも親権が欲しいとおっしゃるお父さんは少なくありません。そのような方は、大体において別居後子供と会わせてもらっておらず、子供がどのような環境で養育されているか不安を抱いていらっしゃいます。
このようなケースの場合、私は離婚訴訟で家庭裁判所調査官の調査を受けていただくことにしています。この調査は、家庭裁判所調査官という子供の専門家が当事者双方や子供たちと面談したり、家庭訪問をしたり、親に子供を会わせて両者の関係性を観察するなどして詳細な調査報告書を作成してくれます。これを読めば、ほとんどの依頼者が子供のために何が最も適切なのかを理解し、納得して、親権に対するこだわりを手放して下さいます。
親権問題でお悩みのお父さんは検討してみてはいかがでしょうか。
離婚事件では多くの場合、離婚自体については合意していますが、親権を巡って争いになり、調停⇒裁判となるケースがかなり多いのです。
裁判になった場合、圧倒的に有利なのは子供と同居している母親です。私が担当した事件で子供と同居している母親が親権を失ったのは1件もありません。
子供と同居していても父親の場合には、親権を失うことがちょくちょくあります。やはり子供、とりわけ年少の子供の養育は母親の下で行われるのが望ましいという考え方が有力なのです。
子供と同居していない父親から親権を取りたいとのご相談をお受けする時には、率直に親権を取れる可能性はほとんどないとお話しています。しかしそれでも親権が欲しいとおっしゃるお父さんは少なくありません。そのような方は、大体において別居後子供と会わせてもらっておらず、子供がどのような環境で養育されているか不安を抱いていらっしゃいます。
このようなケースの場合、私は離婚訴訟で家庭裁判所調査官の調査を受けていただくことにしています。この調査は、家庭裁判所調査官という子供の専門家が当事者双方や子供たちと面談したり、家庭訪問をしたり、親に子供を会わせて両者の関係性を観察するなどして詳細な調査報告書を作成してくれます。これを読めば、ほとんどの依頼者が子供のために何が最も適切なのかを理解し、納得して、親権に対するこだわりを手放して下さいます。
親権問題でお悩みのお父さんは検討してみてはいかがでしょうか。
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